人生なんて夢だけど/やなせたかし

人生なんて夢だけど

人生なんて夢だけど

アンパンマンの作者やなせたかしのエッセイ。
高齢化社会が叫ばれ、老人には希望が無い世の中に見えるけど。
この老人はまだまだ元気だ!そう思える一冊。

人生の楽しみの中で最高のものは、やはり人を喜ばせることでしょう。すべての芸術、すべての文化は人を喜ばせたいということが原点で、喜ばせごっこをしながら原則的には愛別離苦、さよならだけの寂しげな人生をごまかしながら生きているんですね。
やなせたかし 「人生なんて夢だけど」)

戦時中や戦前の生まれの人の文章を読むと、自分自身には無いリアリズムみたいなものを感じることがある。
例えば「争いが無く平和な世界が一番すばらしい」って、僕は言うことがたぶん、できない。
だけど、戦争を知っている人は「争いが無く平和な世界が一番すばらしい」ってことを無理だと感じながら、
「争いが無く平和な世界が一番すばらしい」って本気で言えるんだろうなと思う。