乱/黒澤明

乱 [DVD]
普段はあまり映画は見ないけれど、たまには見てみようと思いつき、
近くのレンタルビデオ屋で「とりあえず、黒澤明って名前は有名だし、ひとつぐらいは見ておこう」
そして、適当に一本借りてみた。
安易な発想で見た率直な感想は予想よりもはるかに面白かった。
演出上の技術の知識もあいにく持ち合わせていない。他の黒澤作品も見たことない。
だけど、悔しくなるくらいの悲劇だった。それだけがわかった。
所詮映画だって虚構だから、リアリティなんて持ち合わせてないのが、当然だと思ってた。
だけど、勘違いだったね。
この映画の中の戦のシーンを見て少し気づいた。
今まで、人は現実で物事を判断するものって思ってたけど、
実際はイメージが現実以上の自分の中の基準になりえるみたいだ。
架空の映像でもそのイメージが現実よりもリアリティを持って、
本当の現実が自分の中でリアリティを持ちえなくなってしまうこともある。
だから、只椅子に座って絵の移った箱を見てるだけなのに、
なにかを考えてしまう。
そして、本当に血で血を洗う戦いが目の前にあるわけではないのに
悲しく思ってしまう。

なんか無常な感じ。