仮面の告白/三島由紀夫

仮面の告白 (新潮文庫)
初三島。
初めて読んで、まず思ったこと。
文章がうまい。
構成がはっきりしていて、シンプルすぎず、複雑すぎずな感じ。
仮面の告白三島由紀夫の半自伝的な小説、同性愛についての仮面の告白
実際、三島が同性愛者かどうかは知らない。(多分、本物だけど)
この作品は当然、同性愛というアブノーマルな(注 異性愛者にとってだが)
ものを題材にしている部分が第一に目がいってしまうけど、
自身の精神に対して忠実な考察と切り詰めた他人の描写が独特な雰囲気を作り出している。
極めて個人的な視点で描かれた男性と死へのフェチズムと自身への劣等感
が素晴らしかった。
ただ一つ気に入らなかった点を挙げるとすれば、個々のエピソードが多少うそ臭い(勿論、小説と言うのは空想で
あることを前提として)部分が多少でもあったところ。