TUGUMI / よしもとばなな

TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

ある意味、この本から自分の読書暦が始まったと思う本。何回も読んでる。
それ以前にも、本をまったおく読まないと言うわけではなかったけれど。
内容は結構平坦としていて、
主人公「まりあ」が帰省をする。
そこでの従姉妹の病弱な美少女「つぐみ」気の優しいつぐみの姉「陽子」
そして、「つぐみ」のボーイフレンド「恭一」夏の出来事。

設定が病弱で美少女なんて、少女マンガみたいだな。とか思うけど。
そんなことは考えずに、初めてこの本の

「たとえばさあ、地球にききんが来るとするだろ?それで、食うものが本当になくなった時、あたしは平気でポチを殺して食えるような奴になりたい。もちろん、あとでそっと泣いたり、みんなのためにありがとう、ごめんねと墓を作ってやったり、骨のひとかけらをペンダントにしてずっと持ってたり、そんな半端な奴のことじゃなくて、できることなら後悔も、良心の呵責もなく、本当に平然として『ポチはうまかった』と言って笑えるような奴になりたい。」

という台詞を読んで、衝撃が走った。
今考えると、多くは中途半端な博愛主義が嫌いな個人的好みで、
ペットを食べたことを言い訳して感情を寄せるよりも、それを自分の欲求を食べたことを否定しない。考え方に共感したに過ぎないのかも知れないけど。
とりあえず、この本を読んでから、本を読むのが楽しくなった。
記念的