センセイの鞄/川上 弘美

センセイの鞄 (文春文庫) [ 川上弘美 ]
前に学校で川上弘美の離さないという作品を習って、そのときに先生(もちろん僕の学校の)「川上弘美
作品を読んだことあるひといる?」と質問をして、クラスの中で一人だけ「センセイの鞄を読んだことがある」
って言った人がいって、以来気になっていた。
川上弘美についてはもちろん名前ぐらいは知っていたけど、でもそれだけだった。
今回この小説を読んでみて、言葉使いの繊細さ際立っていると思った。
よしもとばななも結構好きで前に何冊か読んだけれど、そのときに感じた物事に対して目を細めて遠くから見ているような描写(わかりにくい例えだけど)みたいなものを感じた。
この小説は38歳のOL(元教え子)70代のセンセイの恋物語だ。
全体的にふわふわと現実感の無い文章が続く。現実感が薄いのがこの小説のいいところだ。
それと同時にだめところでもある。架空の話なんだからいいじゃないとも思える。
だけど、現実だって現実感の無いことも多い。その間でバランスを取るべきだ。なんてよくわからないことも
思ったりもした。もしかしたら、それすらも筆者の思惑なのかも知れないけれど。